ロードバランサー監視

OCIロードバランサーは複数のバックエンドサーバーにわたるアプリケーショントラフィックを分配する高い可用性のサービスで、信頼性の確保とパフォーマンスの最適化を行います。
ロードバランサーをSite24x7で監視することで、トラフィック分配、バックエンドの正常性、リスナーパフォーマンスを可視化します。これにより問題の早期検知、アップ時間の向上、リソース最適化を行えます。

概要

ロードバランサーをSite24x7で監視することで、パフォーマンス、正常性、可用性を可視化します。

この連携により重要なメトリックを監視し、正常性ステータスの追跡とプロアクティブなアラートによりトラフィックの分配を止めることなく行うようにします。
この連携には次の子監視が存在します。

  • バックエンドセット:ロードバランサーにアタッチされているバックエンドサーバーグループの正常性とパフォーマンスを監視します。正常/異常なバックエンド数、バックエンド応答遅延、正常性チェックステータスといったメトリックを表示します。このデータを基に正常なインスタンスにのみトラフィックをルーティングさせ、応答しないバックエンドが存在する場合にはそれらに対して復旧措置を行います。
  • リスナー:流入してきたクライアントリクエストの処理状況を可視化します。リクエスト数、接続エラー、応答レイテンシーといったメトリックを表示します。突発的なトラフィック上昇や失敗接続数の増加を異常検知し、クライアントサーバー通信を維持しします。

ユースケース

  • 小売eコマース会社は、ロードバランサーを利用して、複数のバックエンドサーバーでホストされているショッピングプラットフォームへの受信ユーザートラフィックを管理しています。季節限定のセールイベント中に、プラットフォームのトラフィックが突然急増し、リソースの枯渇によりバックエンドサーバーの1つが応答しなくなりました。
    ロードバランサー監視により、運用チームは、影響を受けるバックエンドセット内のバックエンドがヘルスチェックに失敗したことを示すアラートを受信します。同時に、リスナーのメトリックが接続エラーと遅延の増加を示し、ユーザーエクスペリエンスに潜在的な影響を与えていることを示しています。これらの情報によりチームは問題を迅速に特定し、正常なサーバーへのトラフィック分散を再構成し、負荷を処理するためにバックエンドリソースをスケールアップします。リアルタイムな監視とアラートにより、長期にわたるダウンタイムが防止され、一貫した負荷分散が確保され、重要なビジネス期間中に最適なパフォーマンスが維持されます。
  • ビデオストリーミングプラットフォームは、トラフィックの多いライブスポーツイベント中に数百万人の同時視聴者を管理するためにロードバランサーを利用しています。主な課題は、バッファリングやダウンタイムを発生させずにスムーズなストリーミングを確保することです。ダウンタイムは、突然のトラフィックの急増によりバックエンドサーバーが過負荷になった場合に発生する可能性があります。Site24x7が、規模の拡大に応じて新しいバックエンドサーバーを自動的に検出し、トラフィックが効率的に分散されるようにすることで、パフォーマンスを維持する上で重要な役割を果たします。帯域幅の使用状況とスループットを継続的に監視し、ボトルネックが視聴者に影響を与える前に特定して防止します。さらに、キャッシュヒット率が低下し、ユーザーエクスペリエンスを低下させる可能性のある非効率なコンテンツ配信が行われた場合に管理者に通知します。これらの機能を活用することで、ストリーミングプラットフォームは、ピーク時でもシームレスで中断のない再生を実現し、高い視聴者の満足度を確保します。

ロードバランサー連携の利点

ロードバランサー連携の利点は次の通りです。

  • 内向きおよび外向きトラフィックパターンを監視し、リソース割り当ての最適化と異常の検知を行います。
  • バックエンドリソースとリスナーの可用性と正常性を監視します。
  • リクエストと応答メトリック、エラー数、バックエンド正常性チェックステータスを可視化します。
  • レイテンシー、ドロップした接続、バックエンドサーバー応答時間を追跡し、ロードバランサーポリシーを調整します。
  • しきい値違反時にアラートを受信し、潜在的な問題に素早く対応します。

設定

  • クロステナンシーアクセスを使用して、Site24x7のテナンシーユーザーでリソースを監視します。特定のポリシーを作成することで、セキュリティに影響を与えることなくリソースを表示できます。
  • OCI監視連携ページで、対応しているサービスからロードバランサーを選択します。

ポリシーを権限

関連しているOCIポリシーに権限があるかを確認してください。

  • read the load-balancer-family 

チェック間隔

Site24x7で設定しているチェック間隔に基づいて、OCIサービスレベルAPIにクエリすることによりロードバランサーのデータを収集します。

サポートしているメトリック

ロードバランサー

ロードバランサー監視でサポートしているメトリックは次の通りです。

メトリック名 説明 統計 単位
受信した接続 ロードバランサーが受信した接続数です。 合計
受信したSSLハンドシェイク 受信したSSLハンドシェイク数です。 合計
アクティブな接続 クライアントからロードバランサーへのアクティブな接続数です。 合計
アクティブSSL接続 アクティブなSSL接続数です。 合計
受信バイト ロードバランサーが受信したバイト数です。 合計 バイト
送信バイト ロードバランサーが送信したバイト数です。 合計 バイト
失敗したクライアントSSL証明書認証 失敗したクライアントSSL証明書認証数です。 合計
失敗したSSLハンドシェイク 失敗したSSLハンドシェイク数です。 合計
接続数 ロードバランサーが行った接続数です。 合計
インバウンドリクエスト ロードバランサーへのクライアントリクエスト数です。 合計
ピーク帯域 帯域で使用された最大ビット/秒です。 合計 ビット
クリティカルバックエンドセット 正常性問題や障害により、クリティカル状態にあるバックエンドセット数です。 合計
警告バックエンドセット 潜在的な問題を示す注意が必要なバックエンドセット数です。 合計
不明なバックエンドセット データの欠落や接続問題が起こる可能性がある不明な正常性ステータスをもつバックエンドセット数です。 合計
不完全なバックエンドセット 不完全な設定やコンポーネントをもつバックエンドセット数です。 合計
保留中のバックエンドセット 正常性チェックが開始している、または結果待ち状態にあるバックエンドセット数です。 合計
OKバックエンドセット 正常なバックエンドセット数です。 合計
クリティカルバックエンドセットのパーセンテージ クリティカル状態のバックエンドセットの割合です。 平均 パーセンテージ
警告バックエンドセットのパーセンテージ 警告状態のバックエンドセットの割合です。 平均 パーセンテージ
不明なバックエンドセットのパーセンテージ 不明状態のバックエンドセットの割合です。 平均 パーセンテージ
未完全バックエンドセットのパーセンテージ 未完全状態のバックエンドセットの割合です。 平均 パーセンテージ
保留バックエンドセットのパーセンテージ 保留状態のバックエンドセットの割合です。 平均 パーセンテージ
OKバックエンドセットのパーセンテージ 正常なバックエンドセットの割合です。 平均 パーセンテージ

バックエンドセット

バックエンドセット監視でサポートしているメトリックは次の通りです。

メトリック名 説明 統計 単位
アクティブな接続 ロードバランサーから全バックエンドサーバーへのアクティブな接続数です。 最大
バックエンドサーバー バックエンドセット内のバックエンドサーバー数です。 最大
バックエンドタイムアウト 全バックエンドサーバーにわたるタイムアウト数です。 合計
受信バイト 全バックエンドサーバーで受信されたバイト数です。 合計 バイト
送信バイト 全バックエンドサーバーで送信されたバイト数です。 合計 バイト
クローズした接続 ロードバランサーとバックエンドサーバー間のクローズした接続数です。 最大
インバウンドリクエスト バックエンドセットへのクライアントリクエスト数です。 合計
応答 全バックエンドサーバーのHTTP応答数です。 最小
HTTP 200応答 バックエンドサーバーから受信されたHTTP 200応答数です。 最小
HTTP 2xx応答 バックエンドサーバーから受信されたHTTP 2xx応答数です。 最小
HTTP 3xx応答 バックエンドサーバーから受信されたHTTP 3xx応答数です。 最小
HTTP 4xx応答 バックエンドサーバーから受信されたHTTP 4xx応答数です。 最小
HTTP 502応答 バックエンドサーバーから受信されたHTTP 502応答数です。 最小
HTTP 504応答 バックエンドサーバーから受信されたHTTP 504応答数です。 最小
HTTP 5xx応答 バックエンドサーバーから受信されたHTTP 5xx応答数です。 最小
無効なヘッダー応答 全バックエンドサーバーでの無効なヘッダー応答数です。 合計
Keep-alive接続 keep-alive接続数です。 合計
平均応答時間(TCPのみ) バックエンドサーバーからの応答の初回バイト到達時間の平均です。TCPのみ対応しています。 合計 ミリ秒
平均応答時間(HTTPのみ) バックエンドサーバーの平均応答時間です。HTTPのみ対応しています。 合計 ミリ秒
異常なバックエンドサーバー バックエンドセット内の異常なバックエンドサーバー数です。 最大
クリティカルバックエンド 正常性問題や障害により、クリティカル状態にあるバックエンド数です。 合計
警告バックエンド 潜在的な問題を示す注意が必要なバックエンド数です。 合計
不明なバックエンド データの欠落や接続問題が起こる可能性がある不明な正常性ステータスをもつバックエンド数です。 合計
OKバックエンド 正常なバックエンド数です。 合計
クリティカルバックエンドのパーセンテージ クリティカル状態のバックエンドの割合です。 平均 パーセンテージ
警告バックエンドのパーセンテージ 警告状態のバックエンドの割合です。 平均 パーセンテージ
不明なバックエンドのパーセンテージ 不明状態のバックエンドの割合です。 平均 パーセンテージ
未完全バックエンドのパーセンテージ 未完全状態のバックエンドの割合です。 平均 パーセンテージ
保留バックエンドのパーセンテージ 保留状態のバックエンドの割合です。 平均 パーセンテージ
OKバックエンドのパーセンテージ 正常なバックエンドの割合です。 平均 パーセンテージ

リスナー

リスナー監視でサポートしているメトリックは次の通りです。

メトリック名 説明 統計 単位

HTTP 200応答

バックエンドセットから受信されたHTTP 200応答数です。

最小

HTTP 2xx応答

バックエンドセットから受信されたHTTP 2xx応答数です。

最小

HTTP 3xx応答

バックエンドセットから受信されたHTTP 3xx応答数です。

最小

HTTP 4xx応答

バックエンドセットから受信されたHTTP 4xx応答数です。

最小

HTTP 502応答

バックエンドセットから受信されたHTTP 502応答数です。

最小

HTTP 504応答

バックエンドセットから受信されたHTTP 504応答数です。

最小

HTTP 5xx応答

バックエンドセットから受信されたHTTP 5xx応答数です。

最小

応答

バックエンドセットから受信されたインバウンドの応答数です。

最小

しきい値設定

ロードバランサー監視のしきい値設定方法は次の通りです。

  1. Site24x7にログインし、[管理]→[設定プロファイル]→[しきい値と可用性]に移動します。
  2. 右上の[しきい値プロファイルの追加]から[しきい値プロファイル]をクリックします。
  3. 監視タイプから[OCIロードバランサー]を選択し、表示名にプロファイル名を入力します。
  4. 上記メトリックに対してしきい値を設定します。
  5. [保存]をクリックします。

ライセンス

  • 1つのロードバランサー監視につき、1ベーシック監視ライセンスを消費します。
  • 1つのバックエンドセット監視につき、1ベーシック監視ライセンスを消費します。
  • リスナー監視は無料です。

ロードバランサーデータの表示

ロードバランサー環境を監視するには、Site24x7にログインし、[Cloud]→[OCI]→[ロードバランサー]に移動します。

監視データ

ロードバランサー

ロードバランサー監視で表示できるデータは次の通りです。

サマリー

イベントタイムラインとメトリックの概要を表示します。

バックエンドセット

バックエンドセット可用性情報とこのロードバランサー監視に関連付いているバックエンドセット監視を表示します。監視名をクリックすると、そのバックエンド監視データを表示します。

リスナー

リスナー可用性情報とこのロードバランサー監視に関連付いているリスナー監視を表示します。監視名をクリックすると、そのリスナー監視データを表示します。

設定

ロードバランサー名、リージョン、コンパートメントID、OCIDといったロードバランサーの基本的な設定情報を表示します。

Zia予測

Zia予測機能を使用して、CPU使用率、CPU時間、ストレージ使用率メトリックの未来の値を予測します。過去のデータに基づいて未来のパフォーマンスを表示します。7日誤のデータを表示するために15日間の過去データが必要です。

障害

障害開始時間、終了時間、期間、コメントを表示します。

インベントリー

ロードバランサー名、リージョン、監視ライセンスカテゴリーなどの情報を表示します。ここからしきい値と可用性プロファイルと通知プロファイルの設定を行うことも可能です。

ログレポート

ロードバランサー監視のステータスやパフォーマンスの記録を表示します。CSVファイルでダウンロードすることも可能です。

アラートログ

ロードバランサー監視に関連するアラートをリスト表示します。アラートの履歴や重要度を監視し、問題の評価やしきい値の見直しに役立てられます。

バックエンドセット

バックエンドセット監視で表示されるデータは次の通りです。

サマリー

イベントタイムラインやメトリックの概要を表示します。バックエンド正常性情報もここに表示されます。

設定

ロードバランサー名、全体の正常性、リージョン、ポリシーといったバックエンドセット監視の基本的な設定情報を表示します。さらに正常性チェック設定もここに表示されます。

バックエンド

IPアドレス、ポート、重みといったバックエンド情報を表示します。リソースをフィルターすることも可能です。

障害

障害の開始時間、終了時間、期間、コメントといった情報を表示します。

インベントリー

ロードバランサー名、リージョン、監視ライセンスカテゴリーを表示します。ここからしきい値と可用性プロファイルと通知プロファイルの設定を行うことも可能です。

ログレポート

バックエンドセット監視のステータスやパフォーマンスの記録を表示します。CSVファイルでダウンロードすることも可能です。

アラートログ

バックエンドセット監視に関連するアラートをリスト表示します。アラートの履歴や重要度を監視し、問題の評価やしきい値の見直しに役立てられます。

リスナー

リスナー監視で表示されるデータは次の通りです。

サマリー

イベントタイムラインやメトリックの概要を表示します。

設定

ロードバランサー名、全体の正常性、リージョン、ポリシーといったバックエンドセット監視の基本的な設定情報を表示します。

障害

障害の開始時間、終了時間、期間、コメントといった情報を表示します。

インベントリー

ロードバランサー名、リージョン、監視ライセンスカテゴリーを表示します。ここからしきい値と可用性プロファイルと通知プロファイルの設定を行うことも可能です。

ログレポート

リスナー監視のステータスやパフォーマンスの記録を表示します。CSVファイルでダウンロードすることも可能です。

アラートログ

リスナー監視に関連するアラートをリスト表示します。アラートの履歴や重要度を監視し、問題の評価やしきい値の見直しに役立てられます。

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